少し前、夜明け間際の空に浮かぶ三日月の下にひときわ輝く星があった。明けの明星、金星。目立つ光だから一瞬、目を奪われる。が、実のところ気になっていたのは、その近くでひっそりと光る、でも存在感のある星のほうだった。天体図を調べたら木星だとわかった。凛とした冬の空気に深呼吸しながら眺めていると、胸にわきあがってくる思いがあった。言葉になっていくそれを逃したくなくて、急いで書き留めた。
どんなに、ささやかでもいい。
どんなに、ひっそりとでもいい。
どんなに、今いる “そこ” にも居場所を見つけられなくて社会の片隅に独りでいるように感じられても、いい。
それでも、生きてみる。
日々の営みを、丁寧に。
その暮らしのなかで響いてくる “声 ” に耳を澄ましてみる。
きっと聞こえてくる、すぐ近くで自分を呼ぶ声が。
夜明け前の細い月に目を凝らせば、そばで目立つ明星(金星)より
繊細な光を放つ木星のほうが月のすぐ近くにあった、と気づくように。
自分の中からあふれ出た言葉に、あとで自分自身が勇気づけられていた。
あの朝、木星の光に気づけてよかったと思う。目覚める時間がわずかに遅かったら、繊細な輝きは朝焼けに消えていた。たとえ他よりも、ひっそりとした光(存在)に見えたとしても、その輝きに気づけたこと自体が実は幸せで、その日一日を生き延びられる力になったりする。
それでも、生きてみる。
『それでも、生きてゆく』というテレビドラマが昔あった。わたしにとっては神作品で、題名からもわかるように物語を紡ぐ数々の台詞(言葉)がもつ力強さに励まされてきた。ただ、今、その言葉を口にしてみると、「それでも、生きてゆく」と言い切ることに微妙な違和感を覚える自分と出会う。
それでも、生きてみる。
日々の営みを、丁寧に。
ちょっとしたニュアンスの違い。それでも「生きてゆく」ではなく「生きてみる」ことが今のわたしの精一杯で、自然に呼吸ができる場所なんだと、言葉にしてみて自覚した。たまたま今、胸を張って「生きてゆく」とは言えないけれど、日々を丁寧に「生きてみる」ことならできる、と。
これまで「生きてゆく」と言い切れないときの自分を、ずいぶん責めてきた。しっかりできないことを誰かに責められることが怖かった。
けれど今、たとえ自分がどんな状態であれ、その瞬間の自分のリアリティを誤摩化さずに向き合うことで見えてくるもの、聞こえてくるものが、実はものすごく重要であると知った。
たとえ世界の片隅に独りでいるような気持ちでいたとしても、そのままの自分から「生きてみる」ことを何度も、何度も、何度でも思い出しさえすれば、実はずっと前から通奏低音のように、何かの雑音のように自らの奥底から響いていた、魂からの呼び声(自分の真実からの声と言ってもいいかもしれない)に耳を傾ける勇気が湧いてくる。そのうえでわたしたちは、本当にそうなりたいなら行きたい(生きたい)場所に行けることを知った。
その暮らしのなかで響いてくる “声” に耳を澄ましてみる。
きっと聞こえてくる、すぐ近くで自分を呼ぶ声が。
最近、この “自分を呼ぶ声” の存在にはっきり気づく直接的なキッカケをくれたのが、前の記事でも紹介した北米先住民(ネイティブ・アメリカン)と縁の深い松木正さんだった。
松木さんは人生のある時期に、自分を冒険の旅にかきたてる呼び声が聞こえてくる瞬間があること。それは誰の身にも起こりうる、自分の真実を生きる旅「Hero & Heroine's Journey 」の出発点であることをインディアンの世界観や知恵を通して教えてくれる人だ。
その人がどれだけ頭の中で考えて
合理的に慣れ親しんだ安全な
「今までの世界」にとどまろうとしても
二つの世界の間にある境界線=Edgeに向かわせようとする。
恐怖を伴わせてね。
日常の現実をカタチ作っているもっとも深く心の中で合意して
脳の中に刻み込まれていたBeliefを手放して
「広がる世界」に向けて冒険に出ようといざなってくる。
もうごまかしがきかなくなってくるんだ・・・。脳がザワザワする・・・。
とどまろうとする自分に違和感を感じてしまう。
アラームが鳴っている。
目覚めろ!
ってね。
by マザーアース・エデュケーション 松木正
ここに書かれているアラームこそ、魂からの呼び声 “ Calling ” なのだと思う 。
わたし自身、アラームが鳴りまくった大きな転機が、松木正さんと出会ってからの12年間で幾度かあった。今も、またひとつの大きな変化の過渡期にある。
この12年、干支も一周まわる時間をかけて(いろんな冒険の旅を経て)ようやく自分が自分らしく息ができる場所に着地できそうな感じがしている。そこに着地していく中で怖いこと、不安なことはたくさんある。けれど、それらに勝る熱量で、不完全でもいいから一度はあきらめた「わたしにしか表現できない世界観、文体を手にいれる」という挑戦を再びはじめた自分がいる。
世に素晴らしい文筆家が大勢いることを思えば、壮大なテーマすぎて正直目眩がしてくる。自信なんてぜんぜん、ない。けれど、たとえ「生きてゆく」と胸を張れなくても、怖くても不安でも、いつだって自分にとってリアルな「今いる場所」から、魂が求める道に一歩踏み出すことはできるってことを松木さんは思い出させてくれた。
大丈夫。
“怖い”と感じたら“GO”だ!
ってね。そして一緒に泣いたり笑ったりしながら旅の“伴走”をしてくれた。
だからこその「魂からの呼び声を恐れるなかれ」なんだ、と今ならわかる。
怖くても、大丈夫。
それでも生きてみて、一歩だけでもいい、足を踏み出してみることからはじめれば、かならず何かが動きだす。
(松木さん写真提供:マザーアース・エデュケーション)
【松木正さんとのコラボレーション企画ご案内】
2019年3月21日(木・祝日)春分の日開催!
マザーアース・エデュケーションPresents
魂からの呼び声(Calling)を聞け!
Hero & Heroine's Journey 序章〜
開催日:2019年3月21日(木・祝)
時間:12時開始〜19時終了予定
会場:横浜市緑区 JR横浜線「中山駅」徒歩4分【Tama Cafe】
内容:ラコタ族に伝わる7つの儀式の一つ
「ロワンピ」という歌と祈りのセレモニーを
春分というパワフルな日にあわせて現れる
満月のエネルギーに乗せて行い、
新年度さらには、天皇の世代交代という
日本人のメンタリティにとって
大きな変化の流れとシンクロしながら
参加される一人ひとりの祈りと真の願い、
そして新しい自分へのコミットメントを
グレートスピリットに届けます。
【関連企画 スペシャル・リトリート】
2019年6月14日(金)〜6月16日(日)清里高原にて開催!
Hero & Heroine's Journey 本編
【大地に根づいた男と女に生まれ変わる
スウェットロッジ・リトリート】
日程:6月14日〜6月16日(2泊3日)
内容:これまで女性限定で開催してきた
菅野美和(アジャンタ)主催による
松木正氏のスウェットロッジ・リトリートを
今年から男女ミックスの場として再編成!
魂の呼び声(Calling)にしたがって
清里につどった大人の男女が
それぞれの「わたしがわたしになっていく旅」
つまりヒーロー&ヒロインの旅に共に船出します。
そのプロセスでは、
男と女が本音で語り合ったり、
男性性や女性性をそれぞれ見つめ直す時間があったり、
がっつりドリーミング・ジャーニーの時間もとりながら
自分の中心に還り
大地に根づいた男と女として生まれ変わる
特別なスウェットロッジ・セレモニーをとおして
新しいアイデンティティを手にいれた
男女として出会い直していくリトリートです。
※ これらのイベントは終了しました。