耳を澄ますとき

だれかとの時間、こころに染み入る ことばの記録

Calling 〜魂からの呼び声を恐れるなかれ 1

 

 

“ Don’t be afraid to talk about Spirit!”

〜 魂を語ることを恐れるなかれ

 

 

このことを単なるスピリチュアルな言葉としてではなく、日常のリアリティにしっかり足を根づかせながら実践していくことを教えてくれた人がいる。

 

決して大げさに語るわけではないのだけど、感覚や感情がほぼ凍りつき、文字どおり死んだように生きていたわたしが、かつて、いた。けれど、あのとき、なけなしの力を振り絞り、相当ビビりながらも、いわゆる “Calling”  の導きにしたがった先で出会ったのが、その人だった。もう12年のおつきあいになる。

 

 

冒頭の言葉そのものは、アラスカ先住民クリンギット族に伝わる神話の語り部、ボム・サムさんによるもの。その本を手に取った経緯はまったく覚えていないけれど、ドキュメンタリー映画地球交響曲(ガイヤシンフォニー)』シリーズを制作している龍村仁監督が書かれたエッセイ『魂の旅 〜地球交響曲 第三番』(角川書店刊)に綴られていて、強く印象に残った。これも12年前のこと。

 

同書は、映画『地球交響曲 第三番』撮影開始の直前、監督のもとに出演予定者であった写真家の星野道夫さんがヒグマに襲われ急逝したという訃報が届くところから始まる。

 

それからは映画本編でも描かれているように、上の言葉のボムさん含め、星野さんと親交の深かったアラスカの友人らが亡き友への思いを語り継ぐかたちで、死しても終わらない “星野道夫の魂の旅” を壮大なスケールで綴っている。

 

以来、すっかり星野道夫さんの写真や文章の虜(とりこ)になってしまったわたしは、彼の膨大な著作を何度も、何度も、何度も、それこそ何かに取り憑かれたように読み漁った時期があった。

 

その最中に出会ったのが、星野道夫さんのこともよくご存知だった、北米先住民にゆかりの深い松木正さんだった。

 

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12年前なぜわたしは、どういう人物かも知らない松木さんに会いに行ったのか、正直思い出せない。「会いに行かざるを得なかった」と言うしかないのだけど、それこそまさに“Calling”に導かれたのではないか。

 

松木さんはアメリカ・サウスダコタ州の大平原で生きてきた先住民ラコタ(スー)族の子孫たちと長年暮らし、彼らから受け継いだ伝統儀式と深い知恵を、生きづらさを抱える現代の日本人に伝えている。精悍(せいかん)で男くさく、それでいて瞬時に人を包み込んでしまう無邪気な笑顔をみせる。

 

わたしは松木さんに初めて会ったとき、ほぼ半日、コップの水があふたように泣きじゃくってしまった。理由はわからない。ただ涙が止まらず、まわりの人たちに何度も謝りながら、泣き続けているしかなかった。

 

そして、涙が枯れきったわたしに松木さんは静かに微笑みながら、こう言った。「みわぞー(当時のわたしのニックネーム)みんなにいっぱい謝って、いっぱい泣いとったなー」と関西弁で一言いうと、目を細めて空を見上げた。さっきまでのわたしの姿を、そのまま言葉にされただけなのだけど、その瞬間こわばっていた身体がフッと緩み、深く息がつけたことを覚えている。

 

泣いた理由を問うでもなく、心配したり、問題化して解決しようとすることもなく、ただわたしのそのままの姿を見守ってくれたことが新鮮だったし、なにより、救われた。

 

今、一方でわたしは非構成の場を探求しているけれど、松木さんはがっつりプログラムをやる人だ。がっつり一緒にいてくれる感じがする。それでも松木さんのファシリテーションに操作性を感じたことは、わたしにはない。その理由は、たぶん下に紹介する松木さん自身の言葉からも伺える。

 

不思議なのだけど、ワークに参加しているのに、ワークされている感じがしない。ブログラムにそって動いているのに、自由に心の冒険の旅に出られ、また今ここに還ってこられる。その日そのときの状態で、自分がどこに行く着くかわからないとしても、最後まで絶妙な距離感で “伴走”してくれるのだ。ときおりインディアンのトリックスター(道化師)的なユーモアをぶちかまし、わたしたちを驚かせたり笑わせながら(笑)

 

 

 

「俺にラコタの儀式と伝統的な生き方を教えてくれた

アンクル・ロイというインディアンがいる。

俺にとっては、師匠にあたる人だ。

初めてのスウェットロッジ(浄化と再生の儀式)も

彼がセレモニー・リーダーだった。

強烈だった初めてのスウェット後、

ロイと二人きりになったとき、彼が俺に言ったんだ。

『 Tadashi この大地の上に生きる者にとって

最も大切なことが何かわかるか?

.....それは Faith(信頼)だよ』と。

 

スウェットロッジの灼熱のスティームの中

いつだってロイのセレモニーの場は時間が止まっていた。

とってもリアルなんだけど、

夢の中ですべてを経験している...

“いま”がリアルで

“次にどんなことが起こって.....そして....” なんて予定調和はない。

ロイといると、

しょっちゅう “いま”というときの流れに戻された。

 

そしてロイによく言われたなぁ.....

『先のことばかり考えすぎるな

気がついたらもう死んでるぞ!』ってね」

 

 

 

こう松木さんが語られたうち、わたしの関心どころは「とてもリアルなんだけど、すべてを夢の中で経験している」という部分。先住民の人々が「ドリーミング・ジャーニー」と呼んでいた、日常のリアリティと同じくらい大切にしていた “夢見”の世界でのリアリティ。いにしえの先住民は、いくつかの世界のリアリティを縦横無尽に行き来する自由な意識をもっていたという。

 

今回タイトルに掲げた “Calling(招命)” とは、まさにそのドリーミング・ジャーニーの出発点にあたる。

 

まさにわたし自身がつい最近、人生における何度目かの魂からの呼び声を、松木さんの伴走でハッキリと意識化でき、そのことが「わたしらしい表現の在り方」をめぐる挑戦の旅に船出するキッカケとなった。だからこうして長く筆を止めていたブログも再開できている....

 

 

新たなドリーミング・ジャーニーで、わたしに何が起きたのか。今後、綴っていきますが、少しだけ披露すると、スピリチュアルな業界でよく見かける、自分が宇宙と一体となって素晴らしいインスピレーションが降ってきた....とか、そういうキラキラした感じでは全然なくて(苦笑)

 

今回わたしにとってのコーリングは、地の底を這うように心も身体もエネルギー(生命力)も絶不調なときに、自分の奥底からかすかに響いてくる通奏低音のようなものだった。それを魂からの呼び声として受け取るには、やっぱり勇気がいりました。

 

最後に、不調が続いたわたしを見守り、支えてくれた方々に、心からの感謝を。スウェットロッジのときのファイヤーと、バッファローのスピリットを祭った聖なる祭壇、その奥に煌々と輝く満月の美しい光景とともに。

 

(写真提供:マザーアース・エデュケーション)

 

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バッファローの頭蓋骨にビックリする人がいるかもしれないけれど、北米先住民の儀式では聖なる動物として崇めるバッファローのスピリットを祭壇に供えます。

 

松木正さんとのコラボレーション企画ご案内】

 

2019年3月21日(木・祝日)春分の日開催!

マザーアース・エデュケーションPresents

アメリカ先住民の儀式を受け継ぐ松木正と祈る

平成最後の“春分満月”スペシャル・セレモニー

春分から夏至へと続く再生の道

魂からの呼び声(Calling)を聞け!

Hero & Heroine's Journey 序章〜

 

開催日:2019年3月21日(木・祝)

時間:12時開始〜19時終了予定

会場:横浜市緑区 JR横浜線中山駅」徒歩4分【Tama Cafe】

内容:ラコタ族に伝わる7つの儀式の一つ

「ロワンピ」という歌と祈りのセレモニーを

春分というパワフルな日にあわせて現れる

満月のエネルギーに乗せて行い、

新年度さらには、天皇の世代交代という

日本人のメンタリティにとって

大きな変化の流れとシンクロしながら

参加される一人ひとりの祈りと真の願い、

そして新しい自分へのコミットメントを

グレートスピリットに届けます。

 

 

2019年6月14日(金)〜6月16日(日)清里高原にて開催!

春分から夏至へと続く再生の道 Part2

Hero & Heroine's Journey 本編

【大地に根づいた男と女に生まれ変わる

スウェットロッジ・リトリート】

 

日程:6月14日〜6月16日(2泊3日)

会場:山梨県清里キープ協会の森)

内容:これまで女性限定で開催してきた

アジャンタ主催による

松木正氏のスウェットロッジ・リトリートを

今年から男女ミックスの場として再編成!

魂の呼び声(Calling)にしたがって

清里につどった大人の男女が

それぞれの「わたしがわたしになっていく旅」

つまりヒーロー&ヒロインの旅に共に船出します。

そのプロセスでは、

男と女が本音で語り合ったり、

男性性や女性性をそれぞれ見つめ直す時間があったり、

がっつりドリーミング・ジャーニーの時間もとりながら

自分の中心に還り

大地に根づいた男と女として生まれ変わる

特別なスウェットロッジ・セレモニーをとおして

新しいアイデンティティを手にいれた

男女として出会い直していくリトリートです。